事業概要

 令和2年度末に、文部科学省の事業である「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設準備事業」の公募が行われました。
この事業は、博士後期課程(3年制)や博士課程(4年制)に進学して、博士の学位を取得する学生が減少しており、我が国の将来の科学技術イノベーションの空洞化が強く懸念されることが背景にあります。博士(後期)課程への進学者減少している要因としては、経済的な不安と研究者としての将来のキャリアパスが不透明であることがあげられます。また、新型コロナウイルス感染症の拡大による博士号取得の遅れや研究環境、経済状況の悪化により、博士(後期)課程の学生の状況はさらに深刻化すると思われます。
そこで、将来の我が国の科学技術・イノベーション創出を担う博士(後期)課程の学生の経済的支援とキャリアパスの支援を、大学が全学的な戦略の下に行うことによって博士(後期)課程に進学する優秀な人材の確保を図るのがこの事業の目的です。
 本学はこの公募に対して、「医療創薬デザイン人材養成フェローシップ」という事業名で申請し、採択されるに至りました。本事業は、これからの医療や創薬の分野に求められる、医療や創薬に関する様々な課題についてその解決への道筋をデザインし、その実行に向けて強力なリーダーシップを発揮できる人材を養成することを目的としています。そして、この目的の達成のために経済的な支援を行うとともに、将来リーダーとして活躍する研究者を養成すべく、多様な研究支援とキャリア支援を行います。

申請資格

 申請は、優れた研究能力を有し、研究に専念することを希望するとともに、以下の要件を満たす者に限る。
1)令和3年4月1日現在、名古屋市立大学医学研究科または薬学研究科の3年制の博士後期課程1年次、または4年制の博士課程2年次に在籍していること。ただし、社会人の入学者は除く。
2)令和3年4月1日現在、30歳未満であること。ただし、臨床研修を課された医学系分野に在籍した者においては33歳未満であること。なお、出産・育児等ライフイベントを経た者については、個別の事情に応じ、1~2年程度、上記の年齢要件について配慮する。
3)日本学術振興会の特別研究員、国費外国人留学生度による支援を受ける留学生、本国から奨学金等の支援を受ける留学生でないこと。

採用人数

 6名

採用期間

 3年間(3年制博士後期課程は1~3年次、4年制博士課程は2~4年次)

支援内容

1)研究専念支援金 月額15万円(年額180万円)
2)研究費 年額20万円
3)研究力向上支援
4)キャリアパス支援

申請方法

 募集要項に従い、所定の様式により申請する。

選考方法

 フェローシップ選考委員会による書面審査と面接による審査を行い選考する。